丹沢山地におけるブナハバチの加害と影響に関するブナ年輪幅変動の解析

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  • タンザワ サンチ ニ オケル ブナハバチ ノ カガイ ト エイキョウ ニ カンスル ブナ ネンリンハバ ヘンドウ ノ カイセキ

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神奈川県丹沢山地のブナ林の衰退メカニズムを究明するため、最近大発生を繰り返しているブナハバチについてブナの年輪解析を中心に食害の影響を調査した。併せて2002年以降のブナハバチ被害を追跡調査した。年輪解析の結果、激害型の被害を受けた個体は1970年頃からの年輪幅変動が大きいこと、繰り返しの食害を受けることにより年輪幅が急激に低下することがわかった。追跡調査によりブナハバチの大発生時には激害型被害が発生しやすいこと、同じ個体が連年被害を受けやすいことが特徴的であった。ストレスを受けやすい南向き斜面でも健全な個体は被害を受けにくいが、衰弱傾向にある個体は被害を受けやすく、さらに特異的なブナハバチの食害様式が加わり衰弱枯死につながることが示唆された。食葉性昆虫の食害により広葉樹が枯死することはまれとされているが、今回のブナハバチ被害は新たな枯死事例といえた。

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