セルロース系バイオエタノールと原料植物をめぐる国内外の動向(1)

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  • セルロースケイ バイオエタノール ト ゲンリョウ ショクブツ オ メグル コクナイガイ ノ ドウコウ 1

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近年、バイオマスを原料として製造するバイオ燃料が注目を集めている。バイオマスとは生物資源の量を表す概念であり、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されている。すなわち、植物それ自体だけでなく、食料や飼料として利用した後の残渣、家畜の排泄物のほか、建築材・廃材・古紙なども含まれる。バイオ燃料とはバイオマス由来のアルコールやガスであり、トウモロコシ子実やサトウキビから生産されるバイオエタノール、ナタネやヒマワリの植物油に由来するバイオディーゼル、あるいは、家畜糞尿から生産されるメタンガスなどがその代表的な例である。とりわけ、近年では、自動車台数の増加による世界的なガソリン消費量の増加を背景として、ガソリンの代替燃料としてのバイオエタノールが国際的に注目を集めており、数年前からバイオエタノール・ブームともいえる状況が続いている。そこで、本報と次報では、とくに草本植物のバイオマスを原料として用いるセルロース系バイオエタノールに焦点を当て、原料バイオマスの選択や生産に関する国内外の動向を整理するとともに、今後の展望について考察する。まず、本報では、バイオエタノール生産量が多いアメリカとブラジルについて、バイオエタノール生産に関する動向を概観するとともに、原料バイオマスをめぐる最近の状況を解説する。次報では、その他の国と地域の中からヨーロッパ諸国、中国、そして日本を取り上げ、それらの国・地域における動向を解説し、最後に、全体を総括して今後の展望を述べる。

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