アポイ岳におけるヒダカソウの開花時期と地表面温度との関係

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  • アポイダケ ニ オケル ヒダカソウ ノ カイカ ジキ ト チヒョウメン オンド トノ カンケイ

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北海道アポイ岳に生育するヒダカソウについて、開花時期と温度との関係を明らかにすることを目的として、生育地3カ所の地表面温度の測定と開花開始日の記録を行い、開花までの日平均温度の積算温量による開花予測の有効性を、開花に必要な限界温度と積算開始日を変化させた18モデルについて比較した。生育地間で、ヒダカソウの開花開始日は異なっており、積算温量が高い値で推移した場所ほど、開花が早かった。開花予測は、限界温度を0℃、積算開始日を4月1日と仮定した場合に、最も正確であった。ヒダカソウは、冬芽を地表面近くに形成するため、地表面温度の上昇に敏感に反応すると考えられることや、開花後に葉を展開するため、開花前に光合成による物質生産をほとんど行わないことから、一般に開花に必要な限界温度とされる5℃より低い限界温度をもつと考えられる。また、積雪の少ないヒダカソウの生育地では、2月でも地表面温度が0℃を超える日があるが、厳冬期の一時的な温度上昇は、ヒダカソウの開花を早める効果はなく、開花時期を決定する有効期間は凍結土壌が融解する4月以降と考えられる。

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