北海道における鳥獣保護区の自然植生

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  • ホッカイドウ ニ オケル チョウジュウ ホゴク ノ シゼン ショクセイ

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抄録

北海道の自然保護区設定の基礎資料とするために、GIS(地理情報システム)を用いて、北海道内にある318ヵ所の鳥獣保護区について面積、標高分布、植生の視点から、その指定状況を調べた。標高100m以下の低標高地域では湿地と開放水域の多くが鳥獣保護区に指定されていた。また1,000mより高い地域では22%が鳥獣保護区に指定されており、特に高山植生を中心に指定地域が多かった。これは低標高地域の湿地がラムサール登録湿地として、高標高地域では自然公園としての保全が進められたためだと考えられた。しかし、中標高地域では森林植生(常緑針葉樹林、針広混交林及び落葉広葉樹林)のうち、わずか8〜13%が鳥獣保護区に指定されているだけで、北海道の主要な植生区分である森林には鳥獣保護区が少ないことが明らかになった。

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