製パン適性をもつ温暖地向け硬質小麦新品種「ユメシホウ」の育成

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タイトル別名
  • セイパン テキセイ オ モツ オンダンチ ムケ コウシツ コムギ シン ヒンシュ ユメシホウ ノ イクセイ

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説明

1. 「ユメシホウ」は、温暖地向けパン用品種を育種目標として、1997年度に白粒で硬質の「関系W421」(後のタマイズミ)を母、赤粒で硬質且つ高分子量グルテニンサブユニット5+10をもつ「谷系RA4965」を父として人工交配を行い、F2世代でトウモロコシ法による半数体育種法を適用して育種年限の短縮を図り育成した品種である。2. 「農林61号」と比較して次のような特徴がある。1)播性程度はI~IIで、出穂期、成熟期が共に3日程度早い。2)稈長は短く、穂長はやや短く、穂数は少ない。耐倒伏性はやや優れる。3)収量性はやや高く、容積重はやや大きく、千粒重は同程度かやや小さい。4)穂発芽耐性は劣り、赤さび病、縞萎縮病にはやや強く、赤かび病、うどんこ病には弱い。5)硬質で製粉歩留が高く、60%粉の色はやや劣る。6)ファリノグラムの吸水率は高く、バロリメーターバリュウはやや高い。7)高分子量グルテニンサブユニット5+10をもち、製パン適性がある。パンの官能評価の合計点は「ニシノカオリ」(61.1点)より高い。3. 栽培適地は温暖地の平坦地である。茨城県つくば市等で地産地消のパン作りのための需要があり、普及が見込まれる。

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