レッドメランチ、ラーチ、スギの単板乾燥工程で排出される揮発性有機化合物

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  • Emission of volatile organic compounds during drying of veneer: red meranti (Shorea sect. Rubroshorea), larch (Larix sp.), and sugi (Cryptomeria japonica D. Don)

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抄録

大気汚染防止法の改正により工場からの揮発性有機化合物(VOC)の排出規制が始まり、木質建材製造工程におけるVOC排出の実態解明が急務となっている。また、アルデヒド類についても木材からの放散が懸念されている。本研究では、合板に使用される代表的樹種、レッドメランチ、ラーチ、スギの生単板を工場での乾燥条件に近い温度(140~180℃)で乾燥し、この間に排出されるVOCとアルデヒド類について、ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)および高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定性定量分析を行った。いずれの樹種についても、VOC、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドは、乾燥温度が高くなるほど排出量が多くなる傾向が認められた。これらの排出量は、同じ温度ではスギが最も多く、次いでラーチ、レッドメランチの順であった。スギは他の樹種よりも生材含水率が高く乾燥時間が長いことが、排出量の多い原因の1つであると考えられた。また、排出される主なVOCはテルペン類であることが明らかになった。さらに、実験値をもとに工場での排出量を推定することができた。これらの結果は、工場におけるVOCとアルデヒド類の排出実態把握および排出低減化の自主的取り組みに役立つものである。

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