奈良県内のホウレンソウ栽培施設土壌におけるホウレンソウケナガコナダニの春期の発生消長と栽培管理の影響

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  • ナラ ケンナイ ノ ホウレンソウ サイバイ シセツ ドジョウ ニ オケル ホウレンソウケナガコナダニ ノ シュンキ ノ ハッセイ ショウチョウ ト サイバイ カンリ ノ エイキョウ

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抄録

奈良県内のホウレンソウ栽培施設において、春期におけるホウレンソウケナガコナダニ(以下、コナダニと略す)の土壌での発生消長と、それに及ぼす栽培管理の影響を調査した。また、土壌にすき込まれている稲わらにおける本種の発生状況を調査した。1.播種後〜2葉期を除き、深さ0〜1cmの層にコナダニが分布する割合が他の層に比べて高かった。6葉期〜収穫後には深さ1cm以下の層にも分布する傾向が認められた。深さ10〜15cmの層には殆ど確認されなかった。2.冬期に休作した施設では、土壌中のコナダニ密度はビニル被覆後、ホウレンソウの生育に伴い4月下旬頃から高まった。冬期連作施設では3月でもコナダニ密度が高く推移した。3.耕耘前に比べ、耕耘後は土壌中のコナダニ密度が低下する事例が見られた。4.DCIP粒剤やDDVP乳剤等の薬剤処理を行っても、収穫期まで土壌中のコナダニ密度を抑制できない事例が多かった。5.5月下旬以降は、施設内土壌のコナダニ密度が低下した。同時期の深さ5cmにおける施設内の最高地温は、それ以前に比べて安定して高く推移した。6.収穫期の土壌中のコナダニ密度とホウレンソウの被害度の関係は一定ではなかった。7.土壌にすき込まれた稲わらにおけるコナダニ密度は、収穫後に低下し、耕耘後急激に高くなった。これに対し深さ0〜1cmの土壌中のコナダニ密度は、収穫期、収穫後と徐々に高くなり、耕耘後急激に低くなった。

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