産卵後期におけるフィッシュカルシウム(FCa)の飼料添加による卵殻強度改善効果

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  • サンラン コウキ ニ オケル フィッシュ カルシウム FCa ノ シリョウ テンカ ニ ヨル ランカク キョウド カイゼン コウカ

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市販の白色レグ系コマーシャル産卵鶏を用いて2つの試験を実施した。試験1はカツオ中骨乾燥粉末((フィッシュカルシウム(以下FCaと略))をカルシウム量として0.3%(飼料1kg当たり添加量は12g)飼料中に添加する区(FCa区)、市販の養鶏用カキガラをカルシウム量として0.3%(飼料1kg当たり添加量は10.5g)飼料中に添加する区(カキガラ区)と無添加の対照区に分け、それぞれ自由摂取させた。供試鶏を単飼ケージに収容し、653日齢から708日齢までの56日間産卵と卵殻質に及ぼす影響について調査した。試験2では、2週間絶食した後に成鶏用飼料を自由摂取させる区(絶食区)、採卵鶏育成用後期飼料を1日1羽当たり50gずつ3週間給与した後に成鶏用飼料を自由摂取させる区(低栄養区)、FCaをカルシウム量として0.3%(試験1と同量)飼料中に添加して自由摂取させる区(FCa区)、及び対照区に分けた。単飼ケージにて538日齢から705日齢までの168日間産卵と卵殻質に及ぼす影響について調査し、以下の結果を得た。(1)試験1では産卵成績は各区間で差は見られず、FCa区は卵殻強度がカキガラ区、対照区より有意に優れた。(2)試験2では産卵成績は、絶食区では飼料摂取量が他の区より有意に少なく、低栄養区では産卵率、飼料要求率で対照区より劣ったが、その他の項目では各区間に差は見られなかった。卵殻質は、絶食区が卵殻強度とハウユニットで他の区より優れ、FCa区の卵殻強度は絶食区に次いで優れた。また低栄養区においても絶食区には及ばないが卵殻改善効果が見られた。以上の結果から、FCaは産卵後期において飼料中に添加することで、産卵に影響なく、絶食処理に次いで卵殻強度を改善できる資材であることが明らかとなった。また採卵鶏育成用後期飼料の制限給餌もアニマルウェルフェアに配慮した産卵後期の卵殻改善対策として有効な手段と思われた。

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