藍藻のカビ臭物質の同定と生育に伴う濃度変化に関する研究

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タイトル別名
  • Identification and change in concentration of musty-odor compounds during growth in blue-green algae

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説明

藍藻オシラトリア3種とフォルミディウム6種において、カビ臭物質の同定と生育に伴う濃度変化を検討した。パージトラップGC-MS 分析により、M-71株からはカビ臭物質であるジェオスミンが、NIES-512株からは2-MIBが検出された。ジェオスミン濃度は、培養開始後24および288時間においてそれぞれ190、31ng/(L culture)/A720であった。一方、2-MIB濃度は、培養開始後50および312時間においてそれぞれ3.0、18pg/(10(5)cells)であった。これらの結果から、定常期における2-MIB濃度はジェオスミン濃度の200倍以上であり、また、細胞あたりの2-MIB濃度は細胞増殖に伴って増大し、逆にジェオスミン濃度は低下することが示された。生育温度と2-MIBの生産量の関係を調べたところ、NIES-512株は10-35℃で増殖し、25℃における2-MIB濃度がもっとも高かった。特筆すべきことに10℃においても2-MIBは生産された。以上の結果から、冬季であっても貧栄養条件であっても、カビ臭の主な原因物質である2-MIBは発生することが示唆された。

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