新規造成地に発生した雑草の群落組成について

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  • シンキ ゾウセイチ ニ ハッセイ シタ ザッソウ ノ グンラク ソセイ ニ ツイテ

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抄録

新たに造成した圃場において、雑草群落の形成過程を調査した。調査の対象にした圃場は、2年前に新たに造成された沖縄県農業研究センター内である。調査は農耕地43、非農耕地49、計92の群落で行った。全調査地で出現した草種は37科146種で、芝地の出現種が96種と最も多く、空地とビニルハウスが49種と最も少なかった。1調査地当り平均出現種数は19.1であった。科別内訳はイネ科(33種)とキク科(20種)が最も多かった。近年、県内で広がりつつあるホシアサガオやツタノハヒルガオ、ヒロハフウリンホウヅキ等の帰化植物が発生した。各草種の土地利用別出現特性は、タチスズメノヒエ、アワユキセンダングサ等12種が共通出現種、ギョウギシバ、シマニシキソウ等12種は非農耕地出現種、メヒシバ、ムラサキカタバミ等14種は農耕地と畦畔で出現した。チガヤ、セイタカアワダチソウ、ツボクサ等は非農耕地、エノコログサ、ヒメタネツケバナ等は農耕地の部分的出現種であった。優占種の出現は、アワユキセンダングサが共通出現種で、ギョウギシバ等3種が非農耕地、イトアゼガヤ等2種が農耕地の出現種であり、農耕地と非農耕地の優占種は異なっていた。芝地雑草は、アワユキセンダングサ等が共通出現種で、セイタカアワダチソウ等は日本芝地、ギョウギシバ等はイヌシバ地の出現種であった。セイタカアワダチソウは日本芝に伴って本土から入ったと考えられた。また、サトウキビ畑では、ウスベニニガナ等6種は新植畑と株出し畑の共通出現種であった。イヌビユ等6種は新植畑、アワユキセンダングサ等8種は株出畑で主に出現し、各作型の環境条件で適応性が高いと考えられた。

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