Reverse Transcription Loop-mediated Isothermal Amplificationを用いたRaspberry ringspot virusの検出

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  • Detection of Raspberry ringspot virus using reverse transcription loop-mediated isothermal amplification

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抄録

Raspberry ringspot virus(RpRSV)は、我が国未発生のウイルスで、諸外国ではキイチゴ、スグリ、オウトウ、ブドウなどの果樹類や、オランダイチゴ、スイセン、アネモネ、ハコベ等多くの植物から分離されている。中でもキイチゴ、オランダイチゴは被害が大きいとされる。植物防疫所では、輸入隔離検疫において、これまで生物検定、ELISA検定及びRT-PCR法を用いて本ウイルスの検出を行なってきた。今回、簡易・迅速かつ高感度に遺伝子診断が行えるRT-LAMP法を用によるRpRSVの検出について検討した。RpRSV検出用RT-LAMPプライマーセットを設計し、アネモネ感染葉からの抽出核酸を鋳型としてRT-LAMPを行ったところ、反応開始後60分以内に特異的にRpRSVを検出することができた。RT-PCR法との検出感度を比較した結果、RT-LAMP法の検出感度が10倍高かった。また、核酸抽出を行わず、つまようじを用いる方法と磨砕粗汁液を用いる方法で反応に用いる鋳型調製の簡素化を試みたところ、両法とも検出可能であり、さらに多検体を同時処理することで大量検定にも適応できると考えられた。今回設計したプライマーを用いたRT-LAMP法によるRpRSVの検出は十分な検出感度を有し、また簡易的な鋳型調製法を組み合わせることで、RpRSVを簡易かつ迅速に検出する有効な手法であった。

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