Current Status and Issues Surrounding Ecotourism in the Shiretoko Region (World Natural Heritage Site)

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  • 知床(世界自然遺産)地域におけるエコツーリズムの現状と課題

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2005年7月に知床は世界自然遺産に登録された。世界中から多くの人々が集まるという期待があったことから,地域振興・観光振興という新たなビジネスチャンスが期待された。エコツーリズムを通じ,知床という自然の恩恵を異なる形で受けようとする試みが始まったといえる。しかし,エコツーリズムの概念は「持続可能な開発」を意味するものの,概念があいまいなままで多様化された。旅行会社やマスメディアなどによって用いられた“エコツーリズム"は,一部はマスツーリズムの中に位置づけられるか,あるいはマスツーリズム化に近い形で展開されてきた。このような,暖味な概念は,知床地域にも適用され,マスツーリズムの中でエコツーリズムを展開することとなった。遺産登録後,観光客が急激に増加した知床地域は,観光客の受容量を大きく超え,環境負荷が著しくかかった。そのため,マスツーリズムからの脱却を図り,環境負荷がかからない観光産業を築くことが今日の課題となる。この知床地域のエコツーリズムの確立に向けた取り組みは,知床エコツーリズム推進協議会が中心となり,平成19年に発行された「知床エコツーリズム推進実施計画」に沿って実施されている。しかし, エコツーリズムの実施は,「地域協力」,「地域の自律性」というファクターが重要となる。知床地域でもこの取り組みを通じ,地域住民と実施機関との連携をいかにして築くのかが,重要な課題となる。本報告は,この問題に着目しながら地域の自律性を通じ,エコツーリズム確立の可能性を図る。

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