ホルスタイン種去勢育成牛へのTMR給与が発育性および骨格筋発育関連遺伝子の発現に及ぼす影響

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  • ホルスタインシュ キョセイ イクセイギュウ エ ノ TMR キュウヨ ガ ハツイクセイ オヨビ コッカクキン ハツイク カンレン イデンシ ノ ハツゲン ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

育成牛に対するTMR給与とその栄養水準の違いが,骨格筋成長を中心とした発育性に及ぼす影響を明らかにするために,ホルスタイン種去勢育成牛17頭を用い試験を実施した。試験区はTMR区(TDN71%,CP17%,NDF35%),TMR区と同じ栄養水準で濃厚飼料と粗飼料を分離給与する分離区,TMRの栄養水準を高めた高TMR区(TDN74%,CP19%,NDF31%)の3区を設定した。TMR区における粗飼料摂取量は分離区より有意に多く(P<0.05),試験全期間通算のNDF摂取量は他の試験区より有意に多かった(P<0.05)。分離区の腹囲は試験終了時において他の試験区より有意に小さく(P<0.05),第一胃内容液pHは他の試験区より有意に低い値を示した(P<0.05)。 血漿中IGF-I濃度は全ての試験区で上昇しながら推移したが,各試験区間に顕著な差異は認められなかった。胸最長筋におけるTMR区のIGF-Irecepter発現量は分離区より低い傾向があり(P<0.10),分離区のMyostatin発現量は高TMR区より有意に低く(P<0.05),TMR区より低い傾向があった(P<0.10)。これらのことから,ホルスタイン種去勢育成牛に対するTMR給与は,分離給与と比較して,高い粗飼料摂取量を安定的に維持できることが明らかになった。また,給与法の違いは胸最長筋におけるIGF-IrecepterとMyostatinの発現量に影響を及ぼすことから,TMR給与が骨格筋成長に影響を及ぼす可能性が示唆された。さらに,TMRの栄養水準をあげても,発育性,血漿中IGF-I濃度,胸最長筋における筋成長関連因子の発現状況に影響を及ぼさないことが明らかになった。

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