栄養系繁殖牧草を用いた草地造成法の検討(5) : 植付前の耕うん回数が栄養系繁殖牧草の定着に及ぼす影響

抄録

栄養系繁殖牧草であるパンゴラグラス品種トランスバーラ(Tr)を用いて植付前の耕うん回数が定着に及ぼす影響を検討するため,播き苗区とセルトレイ苗区でそれぞれ耕うんの回数を1,2,3回にして合計6水準設定し基底被度,密度,乾物収量,および草丈を調査した(2004年から2006年)ところ,結果は以下のとおりとなった。1. 基底被度の平均値は播き苗区では,耕うん3回で最も高く25%であった(1回と3回でp<0.05)。また,セル苗区では,耕うん2回で最も高く15%であった(有意差なし)。2. 密度の平均値は播き苗区では,耕うん3回で最も高く133株/m2であった(1回と2,3回でp<0.05)。また,セル苗区では,耕うん2回で最も高く96株/m2だった(1回と2回でp<0.05)。3. 合計乾物収量は播き苗区では,耕うん3回で最も高く4509kg/10aであった(有意差なし)。セル苗区では,耕うん2回で最も高く2594kg/10aであった(有意差なし)。以上のことから,本試験では,播き苗区耕うん3回で最も密な草地を造成することができ,セル苗区では, 耕うん2回が適することが示唆された。

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