全自動電気泳動装置を用いたDNA分析の導入検討

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  • ゼン ジドウ デンキ エイドウ ソウチ オ モチイタ DNA ブンセキ ノ ドウニュウ ケントウ

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抄録

多くのPCR法では、電気泳動により分離された特定塩基長のPCR産物や制限酵素で断片化されたDNA断片の塩基長のパターンを目視で検出し生物種や品種等の判定を行う。電気泳動にかかる一連の操作を手作業で行うことによる分析者への負担の軽減及び分析処理の効率化を図るために、マグロ属魚類及びサケ科魚類の魚種判別法について、アガロースゲル電気泳動と全自動電気泳動装置による電気泳動の比較検討を行った。その結果、全自動電気泳動装置は、従来のアガロースゲル電気泳動と同様にPCR産物やDNA断片の塩基長の検出が可能であり、各魚種の判別に問題は生じなかった。また、全自動電気泳動装置による電気泳動では、アガロースゲル電気泳動で分離が困難な10-15bp程度の差があるDNA断片の塩基長の分離及び検出が困難な25-80bp程度の短いDNA断片の塩基長の検出が可能であった。判定に用いるDNA断片の検出において、塩基配列から推定した理論上のDNA断片の塩基長と分子量マーカー算出されたDNA断片の塩基長の値(測定値)との間に大きな差がみられる場合もあったが、各DNA断片の塩基長の測定値の標準偏差は一部のDNA断片を除いて5bp以下であり、一定の測定値をとるものと考えられた。

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