塩基配列決定法による種推定の検討

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  • エンキ ハイレツ ケッテイホウ ニ ヨル タネ スイテイ ノ ケントウ

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抄録

食品として流通する主なきのこ類17種について核DNAの特定遺伝子領域(18S rRNA,ITS1,5.8S rRNA,ITS2及び28SrRNAの各遺伝子領域を含む)を増幅するプライマーを用いた塩基配列決定法による当該遺伝子領域の塩基配列の決定の可否を検討した。検討した17種すべての種について5試料中3試料以上についてPCR産物が検出可能であった。検出されたPCR産物を用い塩基配列の決定を行ったところ、17種中12種については、全てのPCR産物について塩基配列の決定が可能であったが、エノキダケ及びマイタケの一部試料とハタケシメジ、ナメコ及びヤマドリダケモドキの全PCR産物について部分的な配列の決定にとどまった。解析可能な領域を比較すると、同属内で、98.0%以上の配列相同性を有する種が存在したため、種を推定することは困難であると考えられた。他属間での、配列相同性は80%以下であり、属レベルでの推定は可能であると考えられた。これにより、販売時に記載されている「名称」及び「原材料名」の真正性を確認することが可能であると考えられた。

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