鶏糞焼却灰による重金属不溶化特性について

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  • Insolubilization of Heavy Metals using ash from Poultry Manure Incinerators
  • ケイフン ショウキャクバイ ニ ヨル ジュウキンゾク フヨウカ トクセイ ニ ツイテ

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抄録

バイオマス資源の有効活用を目的に,香川県内の鶏糞を焼却処理している事業所を対象に鶏糞焼却灰の実態調査を行った。その結果,事業所から発生する鶏糞は殆どが焼却処理されており,鶏糞焼却灰は1事業所あたり1日0.5~4.5トン発生することが明らかになった。これらの焼却灰の有効利用が可能であれば,産業廃棄物処理費用の大幅な削減が見込まれる。今回の調査で,これらの焼却灰は18~39%のカルシウムと6~11%のリンを含有し,ある種の焼却灰は焼成することによりハイドロキシアパタイトと酸化カルシウムの複合素材に変化することを確認した。これらの成分を利用して鉛及びカドミウムの汚染土壌の不溶化材として活用する方法を検討したところ,鉛,カドミウムともに土壌環境基準値以下まで低減することが可能であった。また,鶏糞焼却灰の土壌中の重金属に対する吸着反応は,今回検討を行ったすべての重金属において焼却灰混合直後に反応が進行し,不溶化は少なくとも7日間安定であることが明らかとなった。以上のことから,鶏糞焼却灰は重金属不溶化材として有効であることが示唆された。

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