食肉の血圧上昇抑制効果の畜種別差異について

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タイトル別名
  • Comparative Study on Antihypertensive Activity of Meat Hydrolysates Sourced from Bovine, Porcine and Poultry
  • ショクニク ノ ケツアツ ジョウショウ ヨクセイ コウカ ノ チクシュベツ サイ ニ ツイテ

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抄録

本研究では,生体内で血圧調節を中心的に担うレニン-アンギオテンシン系に着目し,各種食肉をタンパク質分解酵素で消化したペプチド混合物を用いてウサギ肺ACE阻害活性と人血管内皮細胞(HUVEC)における血圧上昇抑制効果を畜種別に比較検討した。食肉タンパク質はSDS-PAGEとゲルろ過HPLCによって経時的に分解・消化されたことが確認された。食肉の種類により消化による影響の受け易さに若干の違いが生じ,HPLCのパターンから鶏肉,豚肉,牛肉の順に分解されやすい傾向にあった。特に,鶏肉で分子量1,560付近の低分子量のピークの増加が認められた。ACE阻害に必要なペプチドの生成はペプシンによる影響が強く,約2時間の消化時間で阻害ペプチド生成終了に近づいていく可能性が示唆された。また各種食肉由来ペプチドのIC50(mg/ml)を算出したところ牛肉(9.02),豚肉(4.19),鶏内(3.55)と算出された。また,HUVECによる試験結果においてもIC50:牛肉(0.668),豚肉(0.260),鶏肉(0.249)を算出し,ACE阻害活性の結果と同様の阻害傾向を示したことが確認された。以上の結果から,市販の牛肉,豚肉および鶏肉を用いて,それらを加熱後,消化酵素のペプシンおよびトリプシンで処理すると鶏肉,豚肉,牛肉の順にACE阻害活性が増加することが認められた。

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