アマドコロの根茎休眠と低温処理によるその打破

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タイトル別名
  • Rhizome Dormancy and Its Breaking by Chilling Treatment in Solomon's Seal
  • アマドコロ ノ コンケイ キュウミン ト テイオン ショリ ニ ヨル ソノ ダハ

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抄録

1. 自発休眠が覚醒したアマドコロ根茎の萌芽適温域は20~25℃で,20℃以下の温度では低温になるほど萌芽は次第に遅れたが,9℃でも高い率で萌芽が起こった。2. 戸外栽培の根茎の自発休眠は11月初め以前には極めて深かったが,11月中下旬以降急速に浅くなり,12月中下旬にはほぼ覚醒に近い段階に達し,翌年1月上中旬には完全に覚醒した。3. 戸外で育成された根茎に対する低温処理(5℃8週間処理)時期の休眠打破効果は8月下旬以前の処理では効果が低かったが,9月下旬にはかなり高くなり,10月中下旬以降の処理では効果が十分高くなり,ほぼ休眠覚醒状態まで打破された。4. 休眠打破に有効な温度は12℃以下の温度で,6℃までは温度が低いほど効果が高くなり,0~6℃が打破適温であった。5. 自発休眠が深い10月中下旬から根茎を休眠打破適温で処埋した場合,12週処理で休眠が完全に覚醒したが,9週処理でも覚醒に近い状態まで打破された。9℃処理で同様な休眠打破状態を得るためには処理期間を長くする必要があり,完全覚醒には14週,覚醒に近い状態にするには13週の処理が必要であった。6. 根茎を分割して1芽にして植え付けると,すべての芽が萌芽したが,根茎を繋がったままにして,多くの芽を持つ状態で植え付けると,2割の芽が未萌芽にとどまった。

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