毎日あるいは隔日に変夜温管理されたブドウ'マスカット・オブ・アレキサンドリア'の生育期,新梢および果実成長の様相

書誌事項

タイトル別名
  • Growth Stage, Shoot Growth and Berry Development of 'Muscat of Alexandria' Grapes Under Time-dependent Temperature Management on Everyday or Every Other Day in Forcing Culture
  • マイニチ アルイハ カクジツ ニ ヘンヤオン カンリ サレタ ブドウ'マスカット ・ オブ ・ アレキサンドリア'ノ セイイクキ,シン ショウ オヨビ カジツ セイチョウ ノ ヨウソウ

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抄録

マスカット'の鉢植え樹を供試し,萌芽日から果粒軟化日まで,昼温(8~16時)を19℃(28℃換気)とし,夜間(16~8時)を19℃の加温下で生育させる恒夜温管理を対照に,夜温を1日おきに19℃と15℃に変える隔日変夜温管理または前夜温(16~24時)を19℃,後夜温(0~8時)を15℃に下げる変夜温管理を行い,生育期,新梢および果実の成長ならびに燃料消費量を比較した。1. 萌芽日~満開日の所要日数は,恒夜温管理に比べて,隔日変夜温管理が4日,変夜温管理が5日多かった。満開日~果粒軟化日の所要日数は,恒夜温管理に比べて,変夜温管理が3日多かった。2. 新梢成長について,隔日変夜温管理と変夜温管理は,恒夜温管理に比べて,萌芽3~12日後の新梢伸長速度と萌芽12~15日後の展葉速度が遅く,萌芽15日後まで新梢成長が緩慢であった。しかし,萌芽後の葉色と萌芽18日後以降の新梢長や展葉数に夜温の違いによる明確な差はなく,新梢葉面積が増加した。3. 開花開始日の花穂長や花穂支梗数に夜温の違いによる明確な差はなく,隔日変夜温管理と変夜温管理は,恒夜温管理に比べて,結実が優れた。4. 果実成長について,隔日変夜温管理と変夜温管理は,恒夜温管理に比べて,満開後2週間の果粒横径肥大速度が遅く,萌芽2週後の果粒横径が小さかったが,満開4~5週後は速く,その後の果粒横径肥大速度と果粒横径に夜温の違いによる明確な差はなかった。成熟果実の品質は,同等であった。5. 燃料消費量について,萌芽日~満開日と萌芽日~果粒軟化期の燃料消費量は,恒夜温管理に比べて,隔日変夜温はそれぞれ4.3%,15.9%少なく,変夜温管理は16.0%,29.4%とさらに少なかった。6. 以上のように,隔日変夜温管理や変夜温管理を行っても,生育の遅れは,収穫期の早晩としては許容範囲内であり,新梢や果実の成長が大きく抑制されることはなく,加温燃料が大幅に節減された。省エネルギー対策には,毎日の後夜温を下げる変夜温管理が加温燃料の節減効果が高く,より有効と考えられた。

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