宮崎県のスイートピー生産者における生産費,作業および省力形質に対する意識調査

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タイトル別名
  • Survey on the Attitude of Sweetpea (Lathyrus odoratus L.) Growers in Miyazaki Prefecture towards Production Costs, Farming Operations, and Labor-saving Characteristics
  • ミヤザキケン ノ スイートピー セイサンシャ ニ オケル セイサンヒ,サギョウ オヨビ ショウリョク ケイシツ ニ タイスル イシキ チョウサ

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抄録

省力的形質とされる無巻きひげ形質を持つスイートピー切り花品種の育成の有望性を検討するため,生産者に対し2009年にアンケート調査を実施した。調査対象は宮崎県の97戸の経営主と家族専従者とし,設問は生産規模,最も注意する生産費,最も労力を必要とすると思われる作業項目,巻きひげの必要性,無巻きひげ品種の作付けに対する意向および望ましい品種の形質とした。回答が得られた46人の経営主の平均栽培面積は17.3aであった。栽培従事者1人当たりの栽培面積は3.2aであり,栽培面積と栽培従事者数の関係は有意な正の相関を示した(r=0.91 **)。78人の回答者を経営主か家族専従者か,雇用の有無,栽培面積の大きさという3つのカテゴリーで分けて集計を行った。最も注意する生産費では,経営主と家族専従者の意識に差は無く,「雇用費」が最も多く選択されたが,雇用を有しない生産者および栽培面積が10a未満の生産者では「出荷経費」が最も多く選択され,雇用を有する生産者および10a以上の面積の生産者では「雇用費」であった。最も労力が必要と思われる作業項目は「誘引」と「つる下げ」が,巻きひげの必要性では「どちらでもかまわない」が回答者の属性にかかわらず最も多く選択された。無巻きひげ品種の作付けに対する意識では,経営主では「導入する品種候補に入れる」が最も多く選択され,経営主が省力効果に期待していることが明らかになった。望ましいと考える品種の形質では経営主,家族専従者とも「難落蕾」,「花持ち」,「高規格率」および「高収量」が「省力」よりも多く選択された。

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 11 (4), 439-447, 2012-10

    東京 : 園芸学会

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