エンバク野生種,アブラナ科植物を用いた還元土壌消毒によるホウレンソウ萎凋病の防除効果
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of Reductive Soil Disinfestation Using Wild Oat and Cruciferous Plants to Reduce Damage to Spinach by Fusarium Wilt
- エンバク ヤセイシュ,アブラナカ ショクブツ オ モチイタ カンゲン ドジョウ ショウドク ニ ヨル ホウレンソウイチョウビョウ ノ ボウジョ コウカ
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抄録
エンバク野生種,アブラナ科植物を用いた還元土壌消毒によるホウレンソウ萎凋病の防除効果を調査した。試験1では,エンバク野生種,カラシナを圃場で栽培し,10a当たりにそれぞれ4.1tと7.5tの割合ですき込みし,最大容水量を潅水後,17日間のポリオレフィン系特殊フィルムで被覆密封処理を行った。試験2では,生エンバク,乾燥エンバクをそれぞれ10a当たり,3t,0.6tの割合で投入後,すき込みし,同様に被覆密封処理した。試験3では,ブロッコリー残渣を10a当たり5tの割合で投入後,すき込みし,同様に16日間の被覆密封処理を行った。処理期間中の深さ10cm土壌の平均地温は,被覆のみの区で31.0℃であった。処理期間中の土壌の酸化還元電位は,いずれも被覆のみの区に比べて有機物をすき込んだ区で低く推移した。土壌のフザリウム菌数は,いずれも有機物をすき込んだ全ての区で検出限界未満であった。処理後のホウレンソウ萎凋病発病株率は,いずれも被覆のみの区に比べて有機物をすき込んだ区で顕著に低かった。以上から,エンバク,カラシナおよびブロッコリー残渣をすき込み,最大容水量に潅水後被覆密封する土壌処理方法は,フスマを利用した還元土壌消毒と同様の効果が期待でき,地温が25~40℃の17日間程度処理条件下でホウレンソウ萎凋病防除に有効であることが明らかになった。
収録刊行物
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- 奈良県農業総合センター研究報告
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奈良県農業総合センター研究報告 (43), 11-16, 2012-03
橿原 : 奈良県農業総合センター
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564288694491520
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- NII論文ID
- 40019454525
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- NII書誌ID
- AA1225492X
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- ISSN
- 18821944
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- NDL書誌ID
- 024023336
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- NDL
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