Sustainable Developmental Factors of the Society in small Islands at Genkai Sea in Saga Prefecture (No. 4)

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Other Title
  • 玄界灘小島嶼社会の持続的展開条件(4) : 小川島を対象にして
  • 玄界灘小島嶼社会の持続的展開条件(その4)小川島を対象にして
  • ゲンカイナダ コジマショシャカイ ノ ジゾクテキ テンカイ ジョウケン(ソノ 4)ショウカワシマ オ タイショウ ニ シテ

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Abstract

新離島振興法における離島航路料金支援策を利用することによって定期船の増便や運賃の低廉化が期待される。地域医療に関しては1979年に診療所が改築されて自治医科大学卒業の医師を迎え入れたことを受けて1980年に結成された「小川島島民の健康を守る会」の活動の原点に改めて立ち返ることが、医師と島民が一緒になって高齢化先進地域の島の医療システムをよりよいものにしていくことにつながる。そしてそのことを通して元気になった高齢者を中心に、島独特の掛け替えのない自然(海・山・海浜・野原・生物)と鯨・巾着・イカ釣り・海士といった島の漁業の歴史やお祭り・民謡等の維持・保存を中年(後継者)世代や子供世代とともに記録し、学校等に公開・展示し、今ある鯨と巾着の歴史記録に追加していけば、鯨と巾着だけでない漁業全般や豊かな島の自然や歴史物語を島内外に知らしめることによって、観光の取組も広がっていく。そのことはまた、子供たちも島への理解と愛着を深め、一生、長い目で、島の応援団となっていってくれる。イカ漁業は不漁と価格低迷と燃料費高騰の三重苦によって呻吟し、生き残りを掛けた活魚も伸び悩んでいるため、後継者難を通じて、人口減の流れに棹さしている。したがって目下の課題として、イカ加工品とその生産量の増加および養殖を含めた魚類や水産動物の見直しが求められる。かつて盛んだった農業は「作物生産」に縮小したが、現在の作物生産は自給生産・安全安心作物・健康・趣味・生き甲斐の点で経済的・非経済的価値を有するため、目下、集落周辺に追いつめられたなけなしの畑をイノシシ等の被害から守るためワイヤメッシュ敷設か猟師による駆除かの適正手段の検討が急がれる。なおイノシシ被害は多くの玄海諸島で共通する大きな問題であるため、7つの島の既存組織を活かして、情報交換等をやりつつ玄海諸島全体で取り組んでいく必要がある。その際、佐賀6次産業化サポートセンターに相談する方法もある。また、以上の漁業や観光を推進し、進化・レベルアップするためには、その基盤として島民自身による島の環境整備が欠かせない。島の自然と観光路と住居周辺環境のより一層のブラシアップが求められる。松やハーブの植栽の失敗を踏まえて、加唐島の椿や松島のオリーブとは異なった、小川島の風土に合う特色ある草木や花卉・花木も検討されたい。

Journal

  • Coastal bioenvironment

    Coastal bioenvironment 19 3-14, 2012-08

    唐津 : 佐賀大学海浜台地生物環境研究センター

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