肥育豚における玄米混合給与が発育と肉質におよぼす影響
この論文をさがす
説明
肥育豚に飼料用米を給与した場合の発育,肉質に及ぼす影響について検討した。試験1:供試豚はLWDを用い,試験区は肥育後期に粉砕玄米を市販配合飼料に20%混合給与した20%区,40%混合給与した40%区と,市販配合飼料を給与した対照区の3区を設け,それぞれ去勢3頭,雌2頭の計5頭ずつ配置した。その結果,肥育後期に市販配合飼料への玄米混合率20%および40%では,日増体量,飼料要求率等の発育成績及び背脂肪厚等の枝肉成績,皮下脂肪脂肪酸組成,脂肪色ともに対照区と同等の成績が得られた。試験2:供試豚は止め雄の異なるLWDとLWBの2品種を用い,試験区は肥育全期間に粉砕玄米を市販配合飼料に10%混合給与した10%区,20%混合給与した20%区と,市販配合飼料を給与した対照区の3区をLWDとLWBの2品種それぞれに設け,去勢3頭ずつ配置した。その結果,肥育全期間に市販配合飼料への玄米20%混合給与では,日増体量,飼料要求率等の発育成績及び背脂肪厚等の枝肉成績ともに対照区と同等の成績が得られた。肉質成績は,20%区で皮下脂肪内層の脂肪酸組成のオレイン酸割合が高くなり(p<0.05),リノール酸割合が低くなった(p<0.05)。食味評価では, LWD対照区とLWD20%区の肉を比較したところ,LWD20%区の肉の方が香り,食感,ジューシーさ,甘み,脂の滑らかさ及び総合評価の全項目において良いと評価された。豚の品種の違いによる玄米給与の影響は,LWDはLWBと比較して,玄米給与によるオレイン酸割合,リノール酸割合の変化が顕著であることがうかがわれたことから,豚の品種によって飼料から受ける影響が異なる可能性が示唆された。
収録刊行物
-
- 岩手県農業研究センター研究報告
-
岩手県農業研究センター研究報告 (12), 75-83, 2013-03
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050564288696157568
-
- ISSN
- 13464035
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- IRDB