東北海区における稚魚の研究(4) : 出現種類と季節的出現傾向

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  • ヒガシホッカイク ニ オケル チギョ ノ ケンキュウ 4 シュツゲン シュルイ ト キセツテキ シュツゲン ケイコウ

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1949年から1966年の期間,表層曳稚魚網によって採集された資料(総計7,409点)を分類整理し,魚卵・稚仔(軟体動物を含む)の出現種名表を作製した。又出現回数・採集個体数の多かった33種類について季節的出現傾向を検討した。1. 本海区に出現した魚卵・稚仔の種類は科及び属の単位を含めて,142種に達し,この他重要生物として頭足類の卵・稚仔がある。その種類構成は日本近海で稚魚網によって採集されるものとよく似ている。2. 出現回数・採集個体数とも,カタクチイワシが最も多く,稚仔では全採集個体数の71.5%を占める。又漁業上重要魚種である所謂回遊性浮魚類(カタクチイワシ・サンマ・マサバ・マアジ等)の稚仔は何れも上位を占めている。3. 主要種について1月毎の出現率と,その月の平均個体数の変動から,各種類の季節的出現傾向をみると,春・夏・秋・冬季に夫々出現盛期をもつ特徴的な種類があり,各季節の主な出現種は次の通りである。春季 マサバ・マイワシ・ブリ属・カタクチイワシ 夏季 マアジ・トビウオ科・カタクチイワシ・ハダカイワシ科シラス・カワハギ科・(ナガハダカ) 秋季 ネズミギス・ベラ科・タカベ・ボラ・タカノハダイ属 冬季 マガリハダカ・ブタハダカ・サギフエ・イカナゴ・アナゴ科・アイナメ科 又サンマ・ススキハダカ・アラハダカ・十腕目の稚仔等は周年に亘って出現し,春と秋の2回に出現盛期がみられる。

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