2009年7月の集中豪雨に伴う周防灘の海洋環境の変化

書誌事項

タイトル別名
  • Some characteristic changes of the marine environment in Suo Nada caused by the localized torrential downpour striking the Chugoku and the northern Kyushu Region in July of 2009
  • 2009ネン 7ガツ ノ シュウチュウ ゴウウ ニ トモナウ スオウナダ ノ カイヨウ カンキョウ ノ ヘンカ

この論文をさがす

抄録

1 2009年7月19日から26日までの豪雨(平成21年7月中国・九州北部豪雨)により,防府市(アメダス)では549.0mm,山口市秋穂二島では556.6mmの降水量があった。2 山口漁港では,豪雨期間の終盤にσ15が9.6(塩分換算13.6psu)まで低下した。3 山口県周防灘海域の表層塩分は,豪雨の1週間後に30.46psuまで低下して,8月上旬としては1973~2009年の37年間で6番目に低い値となった。4 豪雨後には,塩分のほか,水温,透明度および底層DO飽和度が低下傾向であり,底質からの栄養塩類の溶出が促進された。5 K. mikimotoiは数百cells/mlまで増殖したが,豪雨後は日照時間が回復,低下していた塩分も急速に上昇し,栄養塩類の濃度も一旦落ち込んだことから赤潮の発生には至らず,珪藻が優占したまま推移した。6 膨大な量の河川水が海域に流入し,各種衛星の画像から濁水やゴミの分布から,河川水の影響が周防灘沖合域まで達している様子が把握できた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ