門之浜湾のノリ生育状況について : 製塩工場排水の影響
説明
門之浜湾内の水質並にノリの生育状態について調査を行い、製塩工場排水のノリに及ぼす影響について検討した。1)工場排水の湾内に流入する附近の水温は15℃内外・pHは8.4を示し、湾内水に比較して一般に高く、塩素量は9‰内外であった。2)排水口附近のノリは、3cm以下で赤みを帯びていたが、工場排水の影響が少ないと考えられる地点のノリは、13cm以上に生長し、色沢も良好であった。3)炭酸カルシウム・石膏を主要成分とする沈殿物のノリ葉体に対する影響は、明らかに無視できない。4)海水の温度・塩分等の環境に、急激に変化を生ずるようなことをくりかえすことは、ノリの発育上好ましいとは考えられない。5)従って、この種の工場排水対策としては、通常考えられる化学的物質による被害以外に、物理的な現象による被害(Physical pollution)を考慮すべきであろう。
収録刊行物
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- 東北海區水産研究所研究報告 = Bulletin of Tohoku Regional Fisheries Research Laboratory
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東北海區水産研究所研究報告 = Bulletin of Tohoku Regional Fisheries Research Laboratory (15), 57-68, 1959-12
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564288704651904
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB