東北海区に分布する表層性魚食性魚類群集体の構造とその変動機構について(1)

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  • ヒガシホッカイク ニ ブンプ スル ヒョウソウセイギョショクセイギョルイ グンシュウタイ ノ コウゾウ ト ソノ ヘンドウ キコウ ニ ツイテ 1

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抄録

東北海区の表層に生息する10種の魚食性魚類(クロマグロ・ビンナガ・メバチ・キハダ・カツオ・メカジキ・マカジキ・ヨシキリザメ・ネズミザメ・アオザメ)について、1960年および1961年の6月・7月の資料を用いて、漁獲位置の分布・漁獲水温・体重組成および胃内容物を調査した。次に、これらの魚から構成される魚類群集体についての検討が行なわれ、次のような知見を得た。1.魚食性魚類群集体はP-L群集体(旋網-延縄群集体)とP-B群集体(旋網-竿釣群集体)の2つに大別される。この2つの群集体は水平的にはっきりとすみ分けて居り、前者が後者を囲むようにして分布している。2.P-L群集体は4つの基本的な型に分類される。(1)ネズミザメ群集体...ヨシキリザメ・ネズミザメを主体とする。(2)ネズミザメ・クロマグロ群集体...クロマグロ・ヨシキリザメ・ネズミザメを主体とする。(3)クロマグロ群集体...クロマグロ・ヨシキリザメを主体とする。(4)マカジキ群集体...ヨシキリザメ・メカジキ・マカジキを主体とする。3.P-B群集体は2つの基本的な型に分類される。(1)カツオ群集体...カツオを主体とする。(2)ビンナガ群集体...ビンナガ・カツオを主体とする。4.これらの群集体は、比較的短い期間をとれば、一定の固有な海洋学的特徴を持った水域に分布する。5.各群集体の分布は東西方向に長く、海洋構造の帯状構造とよく対応する。6.魚食性魚類の分布する水域は暖水域(暖水塊)と潮境水域であって、冷水塊および中間水域に分布するのはカツオだけである。

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