ウメ由来ポリフェノールはラット小腸二糖類水解酵素を阻害し,食後血糖値を改善する

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  • Phenolic extract from Japanese apricot fruit (Prunus Mume Sieb et Zucc.) inhibits disaccharidase activity in the small intestine and suppresses the postprandial elevation of glucose levels in rats

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抄録

ウメ由来ポリフェノール抽出物(JAPE)を用いて,ラット小腸二糖類水解酵素への阻害活性ならびに食後血糖値上昇抑制作用を検討した。JAPEは,マルターゼ,グルコアミラーゼ,ラクターゼに対して阻害作用を示し,阻害様式はそれぞれ混合型非拮抗阻害,不拮抗阻害,拮抗阻害であった。スクラーゼ,イソマルターゼ,トレハラーゼに対しては阻害作用を示さなかった。ラットへの経口糖負荷試験では,マルトース,スクロース,デンプン投与時にJAPEによる有意な血糖値上昇抑制作用が認められ,グルコース投与時には,有意な影響は認められなかったことから,JAPEはグルコース吸収には影響せず,血糖値上昇抑制作用は二糖類水解酵素阻害によることが示唆された。AUC 0-120minは変化がなかったことから,JAPEはグルコース吸収量には影響しなかった。JAPEに含まれるヒドロキシ桂皮酸誘導体が二糖類水解酵素阻害にある程度関与していると考えられる。これらの知見より,JAPEは2型糖尿病や肥満などの生活習慣病のリスクを減らす食品素材として有用である可能性が示された。

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