日本における農業インターンシップ事業の効果に関する研究

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  • Studies on the effectiveness of farm internship program in Japan

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抄録

近年、日本では農業インターンシップへの参加者数が増加傾向にあり、人材育成や経営環境の改善に効果があると期待されている。しかしながら、インターシップの有効性に関する理論的・実証的分析などの総合的研究が極めて不足している。本研究は、インターンシップの理論に基づいて、農業インターンシップの事業効果と事業特性の関係を明らかにすることを目的としている。分析方法は、農業インターンシップに参加した体験者の体験申込書、体験報告書および体験者を受け入れた農業法人の実施状況報告書兼交付申請書から得られた情報に基づいて重回帰分析およびテキストマイニングによって事業効果の要因分析を行う。分析の結果から、体験者と経営者とでは、農業インターンシップに期待するものが異なっており、それぞれの満足度を規定する要因も異なっている。また、雇用実現を規定する要因も、体験者満足度や経営者満足度を規定する要因とは異なることから、満足度と雇用実現の両立は容易ではないことが明らかとなった。したがって、農業インターンシップを効果的に実施するには、体験者と経営者がインターンシップに対する期待を把握しておくこと必要であり、効果的な体験メニューの作成、インターンシップ実施のガイドラインやマニュアルの作成が求められる。

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