タバコマイルドグリーンモザイクウイルスにより発生するピーマンモザイク病の発病抑制技術

書誌事項

タイトル別名
  • Disease suppression techniques for mosaic on Capsicum sp. caused by Tobacco mild green mosaic virus
  • タバコマイルドグリーン モザイクウイルス ニ ヨリ ハッセイ スル ピーマン モザイクビョウ ノ ハツビョウ ヨクセイ ギジュツ

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説明

県内の甘長ピーマン産地では,タバコマイルドグリーンモザイクウイルス(TMGMV)によるピーマンモザイク病が多発し,問題となっている。本病は土壌伝染することから,防除には土壌中のウイルス濃度と発病との関係性を明らかにするとともに,発病抑制技術について検討する必要がある。そこで,まず定量RT-PCR法を用いた土壌中TMGMV濃度の測定方法を確立し,本法を用いて発病圃場を調査した結果,TMGMVは土壌の表層(深度1~10cm)に多く存在し,この層の土壌1g中にTMGMVが0.1pgを超えると発病リスクが高まることが明らかとなった。さらにこの濃度以下にウイルス量を低減させる方法について検討した結果,圃場に牛糞堆肥を混和し,約1ヶ月間太陽熱土壌消毒を行った後,TMGMVの非宿主植物であるナバナを3ヶ月間栽培することで,ピーマンモザイク病の発生が抑制され,かつ土壌中TMGMV濃度も0.1pg/g程度まで低減できることが示された。また,単に太陽熱消毒をするだけでなく,ドリセラーゼ(セルラーゼ,ペクチナーゼ,プロテアーゼが混合された家畜飼料発酵用酵素)を併用した太陽熱消毒を行うことで,土壌中TMGMV濃度を低減し,発病を抑制できることが明らかとなった。

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