イチゴ高設栽培での細霧冷房および送風処理が第一次腋果房の開花,収量に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of mist cooling-ventilation treatment on flowering of the secondary flower cluster and yield in bench culture strawberry
  • イチゴ コウセツサイバイ デ ノ サイム レイボウ オヨビ ソウフウ ショリ ガ ダイイチジエキカボウ ノ カイカ,シュウリョウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

イチゴの早期作型において,頂果房と第一次腋果房の収穫の中休み解消を目的に,高設栽培での細霧冷房とベッド下からの送風処理が第一次腋果房の開花,収量に及ぼす影響ついて検討した。品種は‘さちのか’,‘まりひめ’,‘紅ほっぺ’の3品種を用い,2009年,2010年,2011年に行った。1. 細霧冷房および送風処理により,気温,クラウン温度,培地温度が,それぞれ,日平均では1.1~1.5℃,0.8~1.8℃,1.2~1.6℃,日最高では,2.9~3.8℃,1.5~1.6℃,1.5~2.1℃,日最低では,0.2~0.3℃,0.4~1.5℃,約1.0℃低くなった。2. 定植~10月上旬の約35日間の細霧冷房および送風処理により,頂果房の開花,収穫時期は遅れる傾向があるものの,果房間葉数が少なくなり,第一次腋果房の開花時期が1~8日,収穫時期が4~10日早まった。しかし,2010年の‘さちのか’,‘まりひめ’では処理効果が認められず,年度間に差が認められた。3. 細霧冷房および送風処理により,2,3月の収量が増加し,‘さちのか’と2010年の‘紅ほっぺ’では2月末および4月末までの収量が多くなる傾向が認められた。4. 細霧冷房および送風処理期間中の培養液濃度が高くなるほど,第一次腋果房の開花・収穫時期が遅くなった。慣行よりも低い培養液濃度では,第一次腋果房の開花,収穫時期は早まるものの,生育や頂果房の開花,収穫時期が遅れ,初期収量および総収量の減少が認められた。5. 細霧冷房および送風処理期間中の遮光により,気温,クラウン,培地の日平均および日最高温度が低下した。そのため,頂果房の開花・収穫時期は遅くなるものの,‘さちのか’,‘紅ほっぺ’では,果房間葉数が少なくなり,第一次腋果房の開花・収穫時期が早まる傾向が認められた。

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