肉用種山羊産肉性比較試験(4) : おきなわ山羊と交雑山羊の産肉性の比較

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山羊の産肉性改善を図るため,おきなわ山羊(ボア種25%以上の交配産子)の去勢12頭(おきなわ山羊区)と交雑山羊去勢7頭(交雑山羊区)を用い,給与飼料は飽食にして肥育試験を行い,産肉性の検討および山羊肉の試食アンケートを実施した結果は次のとおりであった。1. 1日1頭あたり乾物摂取量,期間中増体量および飼料要求率は,両区間に有意な差はなかった。2. 開始時体重,終了時体重および1日あたりの増体量は,両区間に有意な差はなかった。3. 枝肉重量および枝肉歩留は,両区間に有意な差はなかった。背脂肪厚ではおきなわ山羊区が4.5mm,交雑山羊区が3.1mmとおきなわ山羊区が有意に厚かった(P<0.01)。腹脂肪厚ではおきなわ山羊区が9.4mm,交雑山羊区が5.8mmとおきなわ山羊区が有意に厚かった(P<0.01)。4. 部分肉重量および内臓重量では,両区間に有意な差はなかった。5. 肉質成績ではモモ肉の食感において,破断応力,柔軟性および歯応えでおきなわ山羊区が高値を示し,食味分析では,水分でおきなわ山羊区が低値を示した(P<0.05)。総脂質に占める脂肪酸バランスでは,多価不飽和脂肪酸とω6系脂肪酸で交雑山羊区がおきなわ山羊に比較して高かった(P<0.05)。不飽和脂肪酸の中でも,オレイン酸はおきなわ山羊区が高く,リノール酸,アラキドン酸,α-リノレン酸では交雑山羊区が高い値を示した(P<0.05)。6. 焼肉用にスライスしたおきなわ山羊肉の雄と去勢の試食アンケートを40名に実施した結果,去勢山羊肉が美味しいと答えた人が65.5%で,雄山羊が美味しいと答えた人は34.5%であった。去勢山羊肉の方が軟らかいと答えた人が85.7%,雄山羊肉の方が軟らかいと答えた人が14.3%であった。また,まーさん市場での試食アンケートでは165名を対象に実施した結果,71.0%が山羊肉が軟らかい,91.7%が美味しいと答え,83.6%が山羊臭が弱いとの回答を得た。以上のことから,おきなわ山羊を去勢肥育することで肉質改善に有効であり,おきなわ山羊のブランド化や山羊肉の消費拡大および流通促進に付与する可能性が示唆された。

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