秋まきコムギ新品種「きたさちほ」の育成

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タイトル別名
  • A new winter wheat variety 'Kitasachiho'
  • アキマキ コムギ シン ヒンシュ 「 キタサ チホ 」 ノ イクセイ

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抄録

秋まきコムギ「きたさちほ」は,2000年に北海道立北見農業試験場作物研究部小麦科(農林水産省小麦育種指定試験地,現北海道立総合研究機構北見農業試験場研究部麦類グループ)においてコムギ縞萎縮病抵抗性,穂発芽耐性に優れた,やや早生,良質品種の育成を目的に,「北系1731」を母,「北見72号」(後の「きたもえ」)を父として人工交配を行った雑種後代から育成された。2011年1月に「北見83号」として北海道優良品種に認定され,2013年10月に「きたさちほ」の名で品種登録された。本品種は,成熟期が「きたもえ」より3日早い“やや早生”種である。稈長および穂長は「きたもえ」よりやや長い。コムギ縞萎縮病抵抗性は「きたもえ」と同等の“中”で,北海道の日本めん用品種では最も強い。容積重は「きたもえ」よりも大きい。製めん適性は,ゆでうどんの色が「きたもえ」と同等に優れ,粘弾性は優り,「きたもえ」の品質面の欠点が改善されている。本品種の栽培によりコムギ縞萎縮病発生地帯のコムギの品質および生産の安定性向上が図られると期待される。

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