モンゴル草地におけるMODISデータを用いたバイオマス推定および降雨応答性

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  • Biomass estimation using MODIS imagery and its response to precipitation in Mongolian grasslands
  • モンゴル クサチ ニ オケル MODIS データ オ モチイタ バイオマス スイテイ オヨビ コウウ オウトウセイ

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抄録

モンゴルで頻発しているゾド(冬季の異常寒波)は,先行して起きる夏季の草地劣化が助長要因の一つである。計画的な放牧のために,夏季の草地状況を広域的かつ連続的に把握することが必要である。また,モンゴルの植生は降雨量の多寡に影響されることが知られており,降雨量によりバイオマスの分布をある程度予測できる。しかし,近年都市周辺の過放牧が深刻化しているため,降雨量とバイオマスの関係が変化していると考えられる。本研究では,MODISデータを用いたバイオマス推定手法を考案した。次に,降雨量に対するバイオマスの応答性を評価し,現地測定したバイオマスとMODIS-LAI(葉面積指数)データの関係からバイオマス推定式を考案した。これまで広く利用されてきたMODIS-NDVI(正規化植生指数)データよりもMODIS-LAIデータを用いた方が,良好な精度で推定できることを示した。次に,降雨量とバイオマスの関係を解析した結果,森林域が近い北部のモンゴル草地と半沙漠域に位置する南部の草地において相関が認められた。したがって北部および南部は,降雨量の多寡にバイオマスが応答していることが示唆された。しかし,首都ウランバートルが位置する中部の草地では,降雨量とバイオマスとの間に相関が認められず,バイオマスは降雨量以外の要因に影響されていることを示した。

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