スギ心持ち無背割り柱材の高温乾燥における高温セット法の割れ防止効果について

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スギ柱材(132mm正角)の高温乾燥について,乾燥スケジュール別の試験を行い以下の結果を得た。蒸煮後の材面割れ抑制のために行う高温セット処理(高温低湿処理)時間は,材表層の含水率が20%付近まで低下する時間が必要と思われ,内部割れ発生状況と併せて判断すると,一般的には18時間程度が適当と思われた。初期含水率60~120%の材について,その仕上がり含水率は,高温セット処理後の高温乾燥では全期間4.25日間で平均18.5%,高温セット処理後の中温乾燥では8日間で平均19.8%,中温乾燥のみでは14日間で平均25.6%であった。また,初期含水率のばらつきの大きいロットを一度の乾燥で仕上がり含水率を揃えることは,どの乾燥スケジュールであっても困難であった。高温セット処理が長ければ長いほど乾燥時間を短縮できるが,長すぎると内部割れの発生につながった。高温セット処理による材面割れ抑制の効果は大きかった。また高温セット処理を行った材の材面割れは,含水率が低下するほど少なくなる傾向にあった。これは材面割れが含水率の低下と伴に閉塞していくことが原因していた。高温セット処理後に高温乾燥を続けると,内部割れは含水率が低下するに従って増大した。しかし,高温セット処理後に中温乾燥を行うことで内部割れの発生は極端に減少した。この場合,乾湿球温度差を30℃とした低湿条件であっても大きな内部割れにはつながらなかった。

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