近赤外マッピングスキャンによる食用卵の個別消費期限推定法に関する研究

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タイトル別名
  • Method for the estimation of the individual shelf life of eggs using mapping scanning with near-infrared spectroscopy
  • キンセキガイ マッピングスキャン ニ ヨル ショクヨウラン ノ コベツ ショウヒ キゲン スイテイホウ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

近赤外3Dマッピングデータの解析では,まず線形の多変量解析法の一つであるPLSR(部分最小自乗回帰)法を利用して,近赤外スペクトルの二次微分値から,卵の産卵後経過日数を推定する手法を試みた。その結果,PLSRモデルでは,因子数7個で経過日数の分散に対する分散寄与率を90%近くまで説明づけ予測することができたが,それ以上の因子を追加しても90%の分散寄与ラインを漸近するのみであった。そこで,PLSR分析の過程で明らかとなった,経過日数推定への相関係数が高い個別波長10個を選び出し,品質劣化を推定するための候補波長として利用することにし,産卵後の経過日数を推定する代わりに,卵の品質指標として頻用されるハウユニット(HU)および卵内ATP値の値を推定する,ニューラル・ネットワークを利用した非線形のモデルを作成した。学習したニューラル・ネットワーク推定モデルを用い,長軸方向4点周りの未学習用データで,推定精度の検証を行ったところ,卵の最大胴径から上下1cmの点での近赤外マッピング情報を利用することで,HUおよび卵内ATPともに,実測平均に対する相対誤差で±5.5%以内の推定結果を得た。したがって,産卵直後の近赤外マッピング情報とニューラル・ネットワークによる推定モデルから,その時点でのHUおよび卵内ATPが推定でき,HUおよび卵内ATPの,産卵後日数との関係式を利用すれば,割卵することなく,卵の賞味・消費期限を予測するのに役立つと考える。

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