水稲種子の収穫直後において発芽能力を効果的,効率的に評価するための休眠打破法

書誌事項

タイトル別名
  • Breaking dormancy effectively and efficiently to evaluate rice seed germinability immediately after harvest
  • スイトウ シュシ ノ シュウカク チョクゴ ニ オイテ ハツガ ノウリョク オ コウカテキ,コウリツテキ ニ ヒョウカ スル タメ ノ キュウミン ダハホウ

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説明

水稲種子生産の生産物審査で行われる発芽試験において,休眠が深い状態にある収穫直後の種子籾の発芽能力を正確かつ効率的に評価するための休眠打破法を明らかにした。1. 種子籾の休眠は収穫直後から徐々に覚醒するものの,発芽試験が通常開始される収穫後1か月以内では,穂発芽性が“難”又は“やや難”の「コシヒカリ」,「ふさおとめ」,「ふさこがね」及び「ふさのもち」では休眠の覚醒が完全ではなく休眠打破処理が必要であった。2. 休眠打破処理法としてジベレリン処理は効果が不安定で,過酸化水素処理は効果が高いものの発芽能力の劣る種子の発芽率を過度に高く評価するおそれがあり不適当と考えられた。50℃の乾熱処理法による休眠打破処理後の発芽率は供試した材料籾本来の発芽率を示し,水稲種子の休眠打破法として最も適すると考えられた。3. 50℃の乾熱処理法では,期間を現行の5日を延長することにより十分な休眠打破効果が得られ,発芽勢が向上し,材料籾の発芽能力を短期間に高い精度で判定できた。品種による休眠の特性を考慮し,「ヒメノモチ」以外の品種における休眠打破処理期間は7~10日程度で,その開始時期は収穫後約14日頃以降の自然状態で休眠覚醒が進行する時期が適当と考えられた。

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