Comparison between carbon dioxide anesthesia and pentobarbital anesthesia as the chicken slaughter method

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  • ニワトリの屠殺方法における炭酸ガス麻酔とペントバルビタール麻酔の比較
  • ニワトリ ノ トサツ ホウホウ ニ オケル タンサンガス マスイ ト ペントバルビタール マスイ ノ ヒカク

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Abstract

食鳥処理の麻酔方法として国際的に認証されつつある炭酸ガス麻酔屠殺法の日本国内での利用について詳細に検証するため,麻酔効果,放血血液量および手羽折れ防止効果について,ペントバルビタール麻酔薬を対照として検討した。食用として屠殺放血するには薬物を使用することはできないことから,自然界に存在し,意識を消失させる麻酔効果のある物質として炭酸ガスを選択した。炭酸ガスの麻酔効果を確認するため,炭酸ガスチャンバーでの炭酸ガス吸入および麻酔薬を投与したブロイラーが麻酔状態になったことを確認したのち,疼痛の有無,両肘関節の骨折と脱臼を調べ,心電図モニターに接続後,放血した。炭酸ガスあるいは麻酔薬の適用後において,両肘関節の骨折と脱臼等の手羽折れ所見は認められなかった。麻酔薬投与後には触診で呼吸運動が微かに感じられたが,炭酸ガス適用後には感じられなかった。心電図モニターにおいて,麻酔薬麻酔では基線の動揺を認めたが,炭酸ガス麻酔では認められなかった。また,放血された血液量に差は認められなかった。心電図所見による放血開始から心停止までの時間は麻酔薬麻酔に比べ炭酸ガス麻酔では有意に短く,心室性期外収縮の発現は麻酔薬麻酔で260±100秒,炭酸ガス麻酔では認められなかった。P波の消失時間は炭酸ガス麻酔では短縮した。ブロイラーにおける炭酸ガス麻酔は麻酔効果を有していたが,心筋および呼吸抑制に影響していると考えられた。以上のことから,ブロイラーにおける炭酸ガス麻酔による特徴が明らかとなり,麻酔効果および放血血液量から,屠殺放血方法として十分対応可能な方法であることが示された。

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