コウライアカシタビラメ天然魚における左右の不相称性

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タイトル別名
  • Left-right asymmetry of wild threeline tonguefish Cynoglossus abbreviatus
  • コウライアカシタビラメ テンネンギョ ニ オケル サユウ ノ フソウショウセイ

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抄録

1. コウライアカシタビラメの人工種苗に発現する形態異常を評価するため,瀬戸内海中央部で漁獲された24尾の8形質に着目して左右不相称性を観察した。2. 左体側に存在する両眼球の眼位角度は51.7±3.8°(平均値±標準偏差),体色と側線は左体側のみほぼ全面を被覆し,鼻管は左体側の前鼻孔のみに確認された。3. 両顎には右体側のみ顎歯が存在し,前上顎骨長は右体側が左体側の約1.5倍であったが,歯骨長の左右差は僅かであった。4. 鱗は両体側に円鱗と櫛鱗が存在し,左右性が不明瞭であった。5. 今回の判定方法において,眼位,体色,側線,鼻管,両顎歯,前上顎骨の6形質は,左右不相称性形質として有効性が確認された。一方,歯骨,鱗には明確な左右差が認められなかったものの,歯骨の形状や鱗の形状,円鱗の分布頻度等は両体側で異なるため,未観察の部位も含めて今後の検討課題として残された。

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