リンゴ新品種「リンゴ福島6号」の育成

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a new apple cultivar 'Ringo Fukushima 6 gou'
  • モモの品種判別技術の開発
  • モモ ノ ヒンシュ ハンベツ ギジュツ ノ カイハツ
  • リンゴ シン ヒンシュ 「 リンゴ フクシマ 6ゴウ 」 ノ イクセイ

この論文をさがす

抄録

(1) 「リンゴ福島6号」は「ほおずり」と「陽光」の交雑実生から選抜した福島県オリジナル品種であり、2015年5月に品種登録することが決定した。(2) 収穫時期は11月中旬~12月上旬頃であり「ふじ」と比較しても遅い極晩生品種である。着色は極めて良好で濃い紅色を呈する。果実重は平均して320~330gである。糖度は15°Brix程度、リンゴ酸は0.60~0.70g/100mLで、「ふじ」よりも酸味が強く、濃厚な食味である。果肉は硬く、かつ蜜入りは極めて良好である。(3) 貯蔵性に優れ、1℃の冷蔵で2.5ヶ月貯蔵したととろ、硬度、蜜入りが低下せず、特に蜜入りは貯蔵後も指数で4以上を示す。また、遺伝子の観点からも貯蔵性に優れることが示唆された。(4) リンゴ生産者、関係機関・団体等をパネリストとした官能検査では、「ふじ」と比較して着色、果肉の硬さ、シャリ感がプラスの評価であった。また、総合的な好み、商品性、普及性についてもプラスの評価で有望品種であると判断された。糖度、酸度については強酸のため、甘味を感じにくいと評価された。(5) DNA分析から、S遺伝子型は「ひめかみ」「紅玉」と同じS7S9と特定され、本県の主力品種である「ふじ」「つがる」「陽光」と交配親和性があり、「ひめかみ」「紅玉」とは親和性がないと判断された。(6) 栽培上の特性として、スパータイプとなりやすいため、若木では樹勢に留意して適正に保つ。また、果実に斑点状障害の発生が見られるため、生育期におけるCaの葉面散布等の対策が必要となる場合がある。さらに、貯蔵中の同障害増加を防ぐため、低温での貯蔵が推奨される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ