小麦品種「さぬきの夢2009」を用いた容積重の構成要素に関する探索的解析

書誌事項

タイトル別名
  • Exploratory analysis of factors contributing to bulk density of wheat cultivar 'Sanukinoyume 2009'
  • コムギ ヒンシュ 「 サ ヌキ ノ ユメ 2009 」 オ モチイタ ヨウセキジュウ ノ コウセイ ヨウソ ニ カンスル タンサクテキ カイセキ

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抄録

子実の比重は粒厚(粒大)間に差がなかったが,粒厚が厚くなるほど容積重は重くなった。容積重を構成する要因の解析にあたり,空間に占める物体の体積比率である実績率の概念を適用して容積重の関数化を試みた。1. 水分含有率10.5~12.5%の範囲では容積重に有意差はなかった。また,9.5%まで下げると容積重は有意に重くなり,13.5%では有意に軽くなった。2. 実績率は子実の等体積球相当径と相関があり,ゴンペルツ成長曲線が最も適合した。3. 粒厚の異なる子実が混在したとき,容積重を向上させることができるが,その効果は粒厚分布の影響を受けると考えられた。4. 高水分の子実を急激に乾燥させると粒大の変化と比重の低下から容積重が軽くなった。5. 子実の粒厚が厚くなるほど小麦粉は黄色みが有意に低くなった。本研究では,2粒厚階級からなる子実の容積重に基づいて粒厚による関数化を試みたが,2階級では階級幅が大きいことからさらに細分化した多粒厚階級による分析が求められる。また,容積重の向上には子実の大粒化が有効と考えられたが,大粒子実に由来する小麦粉は黄色みが低くなったことから,色相の改良も併せて必要と考えられた。

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