久万高原町の夏秋トマトにおけるコナジラミ類の発生生態と防除

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タイトル別名
  • Study of ecology and control of whitefly in tomato greenhouses in Kumakougen Town
  • 久万高原町の夏秋トマトにおけるコナジラミ類の発生生体と防除
  • クマコウゲンマチ ノ ナツ シュウ トマト ニ オケル コナジラミルイ ノ ハッセイ セイタイ ト ボウジョ

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抄録

久万高原町の夏秋トマトにおいて,栽培後期にコナジラミ類が多発しすす病被害が問題となっているため,多発要因の解明や薬剤に対する感受性,帰化天敵を利用した防除体系等の検討を行った。発生するコナジラミ類はオンシツコナジラミが優占種であり,6月中旬~7月中旬にかけて初発が認められ,8月以降多発ほ場が散見された。コナジラミ類の多発は,枝葉が込み合うことにより葉裏への薬液の付着が極端に悪くなることが主因であった。主要防除薬剤のミルベメクチン乳剤,トルフェンピラド水和剤,スピロメシフェン水和剤,ピリダベン水和剤は,コナジラミの発育が進んでも効果が優れた。基幹防除法として取り入れているピリプロキシフェンテープ(以下テープ製剤)のコナジラミ類密度抑制効果は保持されていた。約20年前に試験的にコナジラミの天敵製剤(オンシツツヤコバチ)を放飼した経緯があり,本種は現在帰化状態にある(以下帰化天敵)。帰化天敵温存ほ場では,9月以降の寄生率がほぼ70%以上の高い寄生率を維持した。以上のことから,テープ製剤の設置と天敵に影響の少ない殺虫剤を組み合わせることで,農薬散布回数を削減したコナジラミの防除体系が構築可能であると考えられた。

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