ブルーベリーおよび日本在来野生種を含めたVaccinium属の遺伝的類縁関係の解析と種間雑種の育種的利用

書誌事項

タイトル別名
  • Genetic classification in Vaccinium including blueberries and Japanese wild species, and application of their interspecific hybrids for breeding
  • ブルーベリー オヨビ ニホン ザイライ ヤセイシュ オ フクメタ Vacciniumゾク ノ イデンテキ ルイエン カンケイ ノ カイセキ ト タネ カン ザッシュ ノ イクシュテキ リヨウ

この論文をさがす

抄録

日本にはブルーベリーと近縁のVaccinium属野生種が19種存在し,日本の環境条件に適合する新しいブルーベリー品種を開発するための育種素材として有望である。そこで本論文では,Vaccinium属種の遺伝的類縁関係,倍数性,種間雑種に関して基礎的研究を行い,育種上有用な以下の知見を得た。(1)ブルーベリーのSSRマーカーを用いて日本在来野生種を含めたVaccinium属22種について多型解析を行った結果,SSRマーカーが広範なVaccinium属種の多型解析に有効であり,類縁関係や倍数性の評価に有用であることがわかった。(2)Vaccinium属8種類間で総当たりの正逆交配を行い,交雑能力を評価した。その結果,ブルーベリーと日本の2倍体野生種のように節や倍数性が異なる種間では雑種作出が著しく困難である一方で,種間雑種TO-303のように節や倍数性を超えて広範な交雑能力を有する素材があることを明らかにした。(3)倍数性の相違による交雑不稔や雑種の低稔性の問題を解決するため,Vaccinium属植物の倍数体を効率的に作出するコルヒチン処理法を確立した。以上の結果をもとに,日本の2倍体野生種とブルーベリーとの種間交雑を成功させるための3つの方法論を提案した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ