水稲-タマネギ体系での大規模有機水稲栽培の実証

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タイトル別名
  • Verification of large-scale organic cultivation of paddy rice used crop rotation of paddy rice-onion
  • スイトウ-タマネギ タイケイ デ ノ ダイキボ ユウキ スイトウ サイバイ ノ ジッショウ

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抄録

2014年~2016年の3年間,機械化が可能な水稲-タマネギ体系による大規模有機水稲栽培の実証試験を行った。水稲の5作型・品種において,機械除草により雑草の発生が顕著に抑制されるとともに,中干し前の深水管理により有効茎歩合が高まることで,愛媛県の水稲の平均収量50.8kg/a(中国四国農政局,2016)並みの収量が得られた。このことから,機械除草と深水管理の組み合わせにより,大規模有機水稲栽培が可能となることが実証された。また,タマネギ後作の有機水稲栽培においては,施肥量の増加により収量は増加するが,玄米タンパク質含有率も増加して食味が低下した。さらに,施肥量の増加により倒伏程度が大きくなる傾向がみられたことから,過剰施肥により過繁茂となることで,トビイロウンカによる被害が助長された可能性が示唆された。そのため,タマネギの後作の有機水稲栽培では,タマネギ栽培での堆肥や肥料の残効を考慮して,慣行の水稲栽培における県の施肥基準よりも減肥する必要があると考えられる。

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