森林の多面的機能に関わる土壌・生物要因の林相間比較(6) : 表層土壌の酸性度

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  • Comparison of soil and biodiversity among forest types (VI) : pH of surface soil
  • シンリン ノ タメンテキ キノウ ニ カカワル ドジョウ ・ セイブツ ヨウイン ノ リンソウ カン ヒカク(6)ヒョウソウ ドジョウ ノ サンセイド

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抄録

森林の多面的機能に関わる土壌要因の林相間比較を行うため,同一の地質(第三紀砂岩・泥岩互層),気象条件,斜面方位に成立する林齢40~50年生の,ウダイカンバ二次林,ウダイカンバ人工林,カラマツ人工林,トドマツ人工林およびトウヒ類人工林の計5林分において,0~5cm,5~10cm,15~20cmの3段階の深さで表層土壌の酸性度の調査を行った。深さ別に林相間で比較を行ったところ,5~10cmと15~20cmの深さでは,林相間での有意な違いはみられなかった。一方で0~5cmの深さでは,トウヒ類人工林において酸性度がウダイカンバ二次林やトドマツ人工林,カラマツ人工林よりも有意に強かった。これらの結果から,第三紀砂岩・泥岩互層を母材とする土壌の広葉樹二次林で林相転換を行ってアカエゾマツやヨーロッパトウヒなどのトウヒ類を植栽した場合,40~50年の期間で深さ0~5cmのごく表層においてのみ土壌が酸性化する可能性が示唆された。しかしカラマツやトドマツを植栽しても40~50年という期間では土壌の酸性度が大きく変化する可能性は小さいと考えられた。

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