鹿児島大学農学部附属高隈演習林におけるキュウシュウノウサギ(Lepus brachyurus brachyurus)の食性

書誌事項

タイトル別名
  • Feeding habits of the Japanese hare (Lepus brachyurus brachyurus) in the Takakuma Experimantal Forest of Kagoshima University, Kagoshima Prefecture
  • カゴシマ ダイガク ノウガクブ フゾク コウクマ エンシュウリン ニ オケル キュウシュウノウサギ(Lepus brachyurus brachyurus)ノ ショクセイ

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抄録

2014年4月から2015年4月にかけて毎月1回、鹿児島大学農学部附属高隈演習林のヒノキ人工林、スギ人工林間伐地、スギ人工林皆伐地において、ノウサギの食痕調査を行った。食痕が見られた植物種と食痕数、食痕の地上高やサイズを記録した。また、2014年6月からは、地上50cmの高さでの下層植生の被覆率を記録した。食痕は、47種類の木本、32種類の草本、3種類のシダ植物でみられた。複数の調査地で食痕が多く見られたコガクウツギやバライチゴなどの種はノウサギの嗜好性が高く、ネズミモチやサツマイナモリなどのように食痕が見られなかった、または少ない種は嗜好性が低いと考えられた。また、植物の部位でも嗜好性に違いが認められた。切断は、多くの場合地上70cm以下の部位で発生し、木本の切断面の直径は99.8%が7mm以下であった。食痕数は、地上50cmでの植生の被度が低いほど多い傾向がみられた。被度が高かった場所は、地上50cm以下の部分にも植生が繁茂しており、ノウサギは移動や餌植物への接近が容易なだけでなく、適度なシェルターも存在する場所を採餌場所として選好すると考えられた。

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