台湾語“有(ū)”“無(bô)”の文法化とその周辺(資料篇) ―樋口靖著『台湾語会話(第二版)』に基づいて―
書誌事項
- タイトル別名
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- Grammaticalization of “ū/ bô” in the Taiwan Minnan Language
抄録
本資料は,台湾語“有(ū)”“無(bô)”の文法化を探求する為,樋口靖著『台湾語会話(第二版)』の本文を言語資料として整理・作成したものである。調査の対象は“有”“無”始め,その他の否定詞,(疑問詞疑問文以外の)疑問文,語気助詞に及び,各用法(文型)を整理し,台湾語全体系の中で“有”“無”の文法化について考察する為の資料としたい。 本資料で,上記テキストを使用した主な理由として, ①口語,特に会話体である ②質,量ともに充実している ③今後,元代北京語,現代普通語の会話テキストとの比較を試みたい ことが,あげられる。 台湾語“有(ū)”“無(bô)”の文法化用法は,極めて口語的表現であり,特に会話体に多く表れると考えられる。また,上記テキストの言語情報は質が高く,十分研究用に耐えられると判断したからである。そして,将来的に同じ会話のテキストである『(旧本)老乞大』『新編実用漢語課本』との比較を通して,通時,共時的考察も視野に入れているからである。 また,調査の対象を,“有(ū)”“無(bô)”だけでなく,他の否定詞や疑問文,語気助詞に及んだ理由として,まず筆者は台湾語“有(ū)”の文法化用法は,これまで筆者が考察してきた『(旧本)老乞大』やチベット語,モンゴル語の存在動詞の文法化に見える「言語主体位相の叙述」に類似していると考えており,いわゆるモダリティーやムードと関わると思われるからである。また否定詞“無(bô)”の用法は他の否定詞との比較によって初めて明らかになり,併せて否定詞の文末用法(疑問文)と語気助詞について明らかにしたいためである。そして“無(bô)”の副詞的用法,語気助詞的用法の探求は,現代語の副詞“没(有)”や語気助詞“吗”の文法化の過程を明らかにするうえで,極めて有用であると考えている。本テーマについて考察していきたい所以である。
収録刊行物
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- 拓殖大学語学研究
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拓殖大学語学研究 137 191-210, 2018-02-20
拓殖大学言語文化研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050564288827473280
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- NII論文ID
- 120006734397
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- ISSN
- 13488384
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles