小林文成の高齢者教育思想における「現代人となる学習」概念

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タイトル別名
  • Bunjyo Kobayashi's ""Learning to Become Modern People"" Theory of Gerontological Education
  • コバヤシ ブンジョウ ノ コウレイシャ キョウイク シソウ ニオケル 「ゲンダイジン トナル ガクシュウ」 ガイネン

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抄録

本研究は、小林文成(1900-1995)の高齢者教育論のなかで重要な視点である「現代人となる学習」概念を明らかにすることが目的である。「現代人となる学習」概念は小林の高齢者教育論の基軸となる思想である。そして、この概念を明らかにすることで、日本における高齢者教育がどのようにして成立したのかが理解でき、今日の高齢者の教育実践における学習課題を明確にすることができる。小林は、高齢者の意識にある戦前からの敬老思想観を払拭しなければ、戦後民主化において高齢者が主体的学習を行なうことができないという思想を持っていた。このような高齢者教育の学習概念について、小林は、「現代人となる学習」と称している。本研究では小林の考える「現代人となる学習」概念について考察するために、小林が高齢者の学習実践の場とした楽生学園での活動に着目し、その楽生学園の創設過程と学習内容・目標を示す。さらに、小林の理念に基づいて展開された楽生学園の実践から、高齢者の学習課題としての「生きがい」獲得の意義を明らかにし、高齢者の学習に必要とされる概念である「現代人となる学習」概念について明確にする。

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