Takushoku University Graduates who worked at the Taiwan Local Government in the Japanese Rule Era : Focus on Susumu Sano, The Author of "Practice Guidelines of the Town Office"

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  • 日本統治時代台湾の地方行政と拓殖大学卒業生 ―『街庄執務指針』の著者・佐野暹を中心に―
  • ニホン トウチ ジダイ タイワン ノ チホウ ギョウセイ ト タクショク ダイガク ソツギョウセイ : 『 ガイショウシツム シシン 』 ノ チョシャ ・ サノセン オ チュウシン ニ

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『街庄執務指針』(昭和6 年9 月)は,大正9(1920)年,初代文官総督田健治郎の下,日本の町村制に準じて実施された台湾の街庄自治の業務を,所管業務として関わった郡役場の庶務課長が,主に台湾人街庄吏員に向けて解説した実用書である。 本書は,街庄制の法律的解釈及び町村制との差異,街庄の日常業務及び業務の進め方,勤務上の注意点,街庄内の諸課題といった当時の地方行政の実態を知る手掛かりであると同時に,「実務」として進められた「自治精神」の涵養と「同化政策」の徹底について,日本人官吏がどのように台湾人の理解を得ようとしたかの実例を提供している。 本書の著者・佐野暹は,東洋協会専門学校(現・拓殖大学)の卒業生である。本書に現れた台湾に対する情熱と深い台湾理解,そして実務上の広範な知識は,台湾に赴任して地方行政に関わった多くの卒業生と共通するものであったと思われる。本書を通じて台湾の基層社会における地方自治のあり方と,台湾人と直に接して,ときに日台人間の意識の違いに悩んだであろう卒業生の心象の一端を明らかにする。

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